通信制高校

通信制高校の基礎知識

通信制高校

通信制高校とは

全日制の高校では土日祝日と長期休暇を除いて週に5日、毎日決まった時間に学校へ行くという行為、登校することが生徒には義務付けられています。 毎日登校するということはなかなか大変で、通学に1時間以上かかるような遠くの高校へ入学してしまうと卒業まで通い続けることは苦痛になるでしょう。 自転車でバス停まで行ってそこから駅までバスに乗り、電車に乗り換えてということを毎日の往復で繰り返すには相当な根気が必要になるでしょう。 しかし通信制高校なら全日制高校のそんな苦労とは無縁で、主にレポート提出とテストを中心とした自宅での学習がメインになります。 基本的に勉強は自宅で行い、学校へ行くのは週に1回で済ますことも可能になります。 自宅で自分だけで勉強してたまにレポート提出のために学校へ顔を出す、そんな学生生活を送るだけで高校卒業することが出来るのです。 だからといって卒業までに多くの期間がかかるわけでもなく、単位制の通信制高校では74単位の習得と3年以上の在学という条件さえクリアしていれば 全日制の高校と同じように高校の卒業資格を得る事ができます。 通学の時間が思うように取れない学生のための通信制高校はかなり以前から存在したのですが、その頃の生徒となる学生は今よりももっと特殊な環境の人達が多かったようです。 現在では普通の学生も通信制高校を利用するようになり、全国で20万人近くの学生が全日制ではなく通信制の高校へ籍を置いているそうです。 そして今後も学生の数は増加していくと考えられ、社会的にも広く認知されていくと思われます。

どんな生徒が多いのか

自宅で誰とも会わずに授業が受けられる高校として、通信制高校は徐々に注目を集めつつあるということは皆さんも薄々感付いているでしょう。 少しづつではありますが間違いなく需要(生徒数)も確実に増えています。 その理由はいくつかあるでしょうが、全日制高校では毎日他の生徒と顔を合わせるので人間関係によるトラブルやいじめが発生しやすいという理由が大きいと思われます。 対人恐怖症の生徒にとってはもう学校に行くことだけでも苦痛になり、授業内容なんかは頭に入らないでしょう。 勉強について行けないから学校に行きたくない、よりも前に学校に居たくない、となるのですから不登校にもなりやすいのです。 また学校に行くことに精神的な負担はなくとも、何らかの大きな病気にかかったため全日制の学校に通い続ける事が困難になってしまう生徒もいます。 たまに学校へ行く分には問題なくても、毎朝同じ時間に登校出来ないのであれば授業の内容に付いていけなくなるのは時間の問題です。 こうした精神的理由や身体的理由で全日制の高校に通うことが難しい学生の数は、年々増加しており、その学生の受け皿として通信制高校が注目されてきたのです。 通信制高校は何らかの理由で一度は高校を退学した人の、その後の前向きで新しい選択肢になるのです。 通い続けることが無理で中退してしまった高校も、もういちど卒業資格の取得を目指して主に自宅で頑張ることができるのです。 また年齢制限もありませんので、資格の為に働きながら通うという人も増えています。

親の転勤

他の生徒とのトラブルや健康の問題で毎日学校へ行くことが難しい生徒だけでなく、親の仕事の都合で引越しが多く同じ学校へ通い続けることが困難な学生もいます。 勤務先がちょくちょく変わる場合、親だけ単身赴任で遠くに行くこともありますが、家族という単位で考えれば子供も連れて行き一緒に生活したいという気持ちも強いでしょうし、 経済的な理由で一家揃って引越しとなる場合が多いのもわかります。引越しをしてもそのまま同じ高校に通い続けるのは、よほど近くに引っ越すのでなければ不可能です。 隣の市へ移る位ならまだ通えるでしょうが、県が変わるような引越しをしたら毎日通い続けることを諦めて他の手を考えることになるでしょう。 そこで考えられるのは引越し先の住居から近い場所にある、他の高校への転校です。 ですがこれも1回ならともかく、卒業までに何度も繰り返すようならあまり良い方法とはいえないかもしれません。手続きだって簡単ではありません。 その都度高校を変わるということで仲の良い友達を作るきっかけも少なくなりますし、転校にすぐに馴染める性格でなければ学校の中で孤立してしまうでしょう。 学校が変わるたびに授業の進み具合も変わりますし、その確認をしている間に自分の理解度も遅れてしまいます。 こうした環境になりやすい家庭の場合は、最初から通信制高校への入学を考えて度重なる引越しに対応するのもひとつの策です。 また通学時間を少なくすることが出来る通信制高校は、その強みをより前向きに捉えて入学する生徒もいます。 学校の授業よりそれ以外の時間で受験対策に力を入れたい生徒が、学校の拘束時間が少ないという理由で通信制高校を選ぶケースもあるようです。